黒糖焼酎の歴史を知る!奄美大島と黒糖焼酎の関係

2018.01.12


こんにちは!奄美大島の魅力をお届けする、奄美物産です。

 

近年焼酎ブームが続き、「奄美の黒糖焼酎」もだんだんと注目を浴びてきています。

ところで「奄美の黒糖焼酎」は奄美群島内でしか造ることができない特別なものだとご存知ですか?

そこには知られざる奄美の「黒糖」にまつわる深い歴史がありました。

 

今回はそんな黒糖焼酎の歴史についてご紹介します。

 

 

 

黒糖の原料はサトウキビ。栽培のきっかけにはある逸話が!

黒糖焼酎の黒糖に欠かせない原料となるサトウキビ。

今では奄美群島を代表する穀物となりましたが、ここに至るまでには奄美のサトウキビ栽培のきっかけに貢献した人物の、度重なる奇跡や苦労がありました。

 

嵐から奇跡の生還

その昔、奄美大島の大和村(やまとそん)で生まれた「直川智(すなお かわち)」が1605年に琉球(現在の沖縄)へ渡る途中暴風雨に遭いました。

そして中国の福建省あたりに漂着し、九死に一生を得たのです。

 

たまたま見つけたサトウキビを命がけで持ち帰る

そこで農夫として働いていた川智はサトウキビに着目し、その栽培や製糖の技術を学びます。

一年半ほどして帰国する機会を得た川智は、手持ちの衣類箱の底を二重にして土を入れ、その中にサトウキビの苗を三本、こっそり入れて持ち帰りました。

中国では国外へサトウキビを持ち出すことが禁じられており、見つかると死刑に処せられるほどの重罪だったそうです。

 

奄美でのサトウキビ作りの成功

川智が持ち帰って来たサトウキビの苗三本を試しに植えてみると、奄美の地質がサトウキビ作りの環境に適していたことがわかりました。

その後努力を重ね、見事「黒糖の製造」の成功を収めます。

 

貧困だった当時の奄美を救ったのは、たった三本のサトウキビの苗でした。

運命に振り回されながらも、タダでは帰らなかった川智さんの努力が奄美にサトウキビをもたらしたのですね。

 

 

甘い黒糖づくりには苦い時代背景あり

1609年頃、薩摩藩主の島津氏が琉球侵略を始めると奄美も薩摩藩の領土となりました。

薩摩藩は米による税収確保のため、奄美での米作りにも力を入れていましたが思うように進みませんでした。

 

そこでサトウキビ作りが奄美の地質に合っていたことに着目した藩は、1745年の米を黒糖に換算し税として納める「換糖上納令」を機に、稲作からサトウキビ栽培を本格化させます。

 

さらに1830年から生産した黒糖の全てを藩が買い入れする制度「惣買入制(そうかいいれせい)」が始まり、奄美の人々に過酷な労働が課せられました。

藩は奄美の人々に黒糖生産を強制し、生産が追い付かなくなると、島民の唯一の食糧だったサツマイモ畑のほとんどをサトウキビ畑に転換を命じ、年貢として取り立てました。

 

その時代はまさに「黒糖地獄」と呼ばれるほど過酷を極めていたのです。

 

 

黒糖焼酎は奄美でしか造ることができない蒸留酒

奄美の酒造りの歴史は、古くは江戸時代から米を原料とする「泡盛」を中心にお酒が製造されていたと言われていますが、鍋に残った黒糖の洗い汁を発酵させ焼酎を造ったとも言われており、諸説あります。

また、江戸末期の奄美を書いた「南島雑話(なんとうざつわ)」という書物が残っており、米の他、留汁焼酎(サトウキビを絞った汁を澄まし焼酎に入れる)も作っていたと記されています。

 

その後、第二次世界大戦に入ると戦時中、戦後もしばらく米不足が続き泡盛の製造が困難となりました。

 

戦後、米軍統治下に置かれながらも黒糖酒を作り続けた奄美の人々ですが、糖類を原料とする酒類は「ラム酒」以外認められませんでした。

税金が高かったため、戦後の復興で経済的にも苦しかった島民は、黒糖酒を焼酎として扱うよう声を上げます。

そして1953年、奄美群島が日本復帰を果たした後、米麹を使うことを条件に黒糖焼酎製造の特例が認められたのです。

 

 

奄美大島のお土産としてメジャーになったきっかけとは?

奄美黒糖焼酎製造業界は、たくさんの人に奄美の黒糖焼酎をアピールするため様々な努力を続けています。

 

創業当初から黒糖焼酎を島外へ売り出すことに力を注ぎ、島外への出品はもちろん、広告や文化活動で地域興しの情報発信を続ける企業もあります。

 

また、複数の商品がモンドセレクション最高金賞を数年連続受賞したり、全国酒類コンクールで入賞したりと、様々な分野で快挙を成し遂げている企業も!

 

黒糖焼酎がメジャーになったきっかけはこれだけではありません!

 

黒糖はさとうきびの絞り汁をそのまま煮詰めて冷やし固める砂糖ですが、黒糖焼酎は蒸留酒なので余分な糖分は消化され、純粋なアルコール分だけが生成されます。

つまり蒸留された本格黒糖焼酎であれば糖質はありません。

糖質が気になる方や糖質制限が必要な方でも美味しく飲むことができるのです!

 

そんな、注目の黒糖焼酎を飲んでみたいですよね!

もちろんお取り寄せもできますので、奄美の黒糖焼酎をぜひお試し下さい。

 

 

波瀾万丈な歴史が生んだ「奄美の黒糖焼酎」

たった三本のサトウキビの苗から始まった奄美を代表する黒糖作り。

それは奄美だけの特権である黒糖焼酎造りの発展にも大きな影響を与えました。

そこには成功と試練を繰り返した、奄美群島民の波瀾万丈な歴史があり、その甲斐あって今もなお大事な特産品として受け継がれています。

 

奄美の黒糖焼酎のコクは、深い歴史の味でもあるのです。