奄美に生息するクロウサギ「アマミノクロウサギ」の生態とは

2017.10.29


こんにちは!奄美大島の魅力をお届けする、奄美物産です。

 

奄美大島を含む奄美群島には国内最大規模の亜熱帯照葉樹林が広がり、サンゴ礁やマングローブなど多様な自然環境を有しています。

 

大自然の生み出す景観が国の評価を受け、平成29年3月7日には国内34か所目の国立公園として「奄美群島国立公園」が誕生しました。

 

自然が豊かな奄美には、希少価値の高い生物が多く生息しています。

今回は、奄美を代表する国の天然記念物「アマミノクロウサギ」についてご紹介します。

 

 

アマミノクロウサギの特徴と習性

(画像は環境省の「奄美群島国立公園」ページより)

 

「アマミノクロウサギ」は、鹿児島県の奄美大島と徳之島の2島のみに生息している1属1種の日本固有種で、絶滅危惧IB類に分類されます。

 

その名のとおり黒褐色の毛で覆われており、寿命は飼育下でおよそ15年。

体長は41~51㎝と小学校で飼育されているようなウサギとほぼ同じ大きさですが、耳が小さいのが特徴です。

 

手足は短く、巣穴を掘って生活するため前足の爪はよく発達しています。

そんなアマミノクロウサギの巣穴は長さ30〜200㎝にもなるトンネルになっており、直径50〜180㎝もの部屋を作るそうです。

 

繁殖用の巣穴は別に掘り、1回に1~2頭の子を産みます。

アマミノクロウサギの母親はハブやマングースなどの外敵から守るため、巣穴の入口を土やコケで塞ぎ、1〜2日に1度の授乳の時だけ掘り返します。

このようなかしこい習性があるなんて驚きですよね!

 

 

アマミノクロウサギは絶滅危惧種

研究者による調査の結果、森林の減少や外来種の侵入などの影響で生息環境が悪化し、「アマミノクロウサギ」は減少傾向にあることが確認されました。

 

死因は「交通事故」が最も多く、次に野良イヌや野良ネコによる捕食があり、どちらも問題視されています。

 

アマミノクロウサギの保護対策として、2004年には「保護増殖事業計画」が策定されました。

奄美野生生物保護センターでは、生息状況の調査や交通事故防止対策などに取り組んでいます。

 

 

奄美でクロウサギに会えるかも?姿を現しやすい時期と場所

アマミノクロウサギは夜行性でかなり警戒心が強い動物です。

夜道をドライブしていても偶然遭遇することは、滅多にありません。

 

アマミノクロウサギを見るためには、姿を現しやすい「時期」と「場所」を知っておくとよいでしょう。

 

時期

アマミノクロウサギは1年を通して繁殖活動をしていますが、特に春と秋が盛んでアマミノクロウサギの動きも活発になると考えられています。

そのため、春と秋の涼しくて暖かい日の夜は遭遇率が高いと言えます。

 

 

場所

高齢級林など自然林を中心に小集団で生息しており、樹洞や岩穴を利用するほか、斜面の大きな石の下や大木の根元に巣穴を掘る習性があります。

巣穴を観察すると、複数のアマミノクロウサギが見られるかもしれません。

 

 

アマミノクロウサギは草食で、アカメガシワ・シイ・イヌビワなどの芽・樹皮・実、ススキなどを好みます。

他にはサツマイモの葉やつるも食べます。

アマミノクロウサギの好む植物の周辺も、観察ポイントとなります。

 

 

アマミノクロウサギ観察の注意点

アマミノクロウサギが観察できるかもしれないスポットには、地元の人でも道を知り慣れている人しか入らない林道や原生林のような場所が含まれます。

安易に訪れることはオススメできません。

 

このような場所では道に迷う危険や、猛毒を持つハブなどの野生生物に遭遇する危険もあります。

単独での行動は絶対に止めましょう。

歩きやすい服装をし、軽装で山道に入ることのないように気を付けましょう。

 

 

また観光者向けに、アマミノクロウサギ観察の「ナイトツアー」があります。

現地のベテランガイドが専用車を用意して同行するので、遭遇率が高くて安全です!

ナイトツアーは晴れた夜だと満点の星空も見ることができ、息を呑むような感動に包まれます!

 

 

なお、アマミノクロウサギは野生の生き物です。

いつどんなタイミングで出てくるかわかりません。

 

山道を運転する際は、スピードを出さずによく見て運転しましょう。

もしアマミノクロウサギに遭遇したら、大声を出したり過剰なフラッシュで撮影したりせず、ストレスを与えないよう静かに見守ってあげて下さいね。

 

 

アマミノクロウサギは厳しい自然環境を生き抜いてきた「生きた化石」

奄美大島は世界遺産候補にも推薦された自然豊かな南の島で、様々な種族の生き物が生息しています。

中でも猛毒を持つハブはとても危険な存在。

アマミノクロウサギが授乳期に穴を塞ぐ習性は、猛毒を持つハブから大事な子どもを守るために、生きていく中で自然と身についた術なのかもしれません。

 

かしこい習性を持ち、厳しい自然環境で生き抜いてきたアマミノクロウサギは「生きた化石」とも言われています。

アマミノクロウサギが生息する奄美大島へ、ぜひ遊びにいらして下さい!

 

奄美物産では、アマミノクロウサギに変身したご当地キティちゃんストラップもご用意しています。

奄美大島限定で、可愛いストラップ3個セットはお土産にオススメです。