鹿児島の醤油は特に甘い!九州の甘い醤油の歴史とその理由

2017.09.10


こんにちは!奄美大島の魅力をお届けする、奄美物産です。

 

九州の醤油が他の地域と比べて甘いというのをご存知でしょうか?

九州で生産されているほとんどの醤油には、砂糖類や甘味料などが加えられています。

 

同じ九州でも南になるほど甘くなる傾向があるので、もっとも南にある鹿児島の醤油は特に甘いと言われています。

なぜ鹿児島の醤油が甘くなったのか?歴史と理由についてご紹介します。

 

 

鹿児島の醤油の歴史

なぜ九州の醤油が甘くなったのでしょうか?

 

さまざまな説がありますが、歴史は江戸時代までさかのぼります。

鎖国の時に、唯一国外貿易を行っていたのが長崎の出島。

オランダから砂糖を多く輸入していたこともあり、長崎名物「しっぽく料理」や豚の角煮のような甘い味付けの料理が好まれるようになったという説があります。

※「しっぽく料理」は長崎発祥の宴会料理の1つ。中国料理のようなスタイルで、円卓を囲んで大皿に盛られた料理を自由に取り分けて食べます。

 

鹿児島の醤油が特に甘くなったのは戦後だと言われています。意外と最近ですよね。

戦時中、県内の多くの醤油工場が被害に遭ってしまったため、戦後に大手ブランド(「ヤマサ」「キッコーマン」「ヒガシマル」など)が鹿児島に進出してきました。

大量生産・低価格が強みのこれら大手ブランドの醤油に対抗するため、県内業者は新商品の開発に力を入れました。

それが鹿児島県民の「甘口の味付けを好む」という嗜好に合わせた、甘い醤油の開発だったのです。

 

 

鹿児島の醤油が甘い理由

なぜ鹿児島の人に甘い醤油が好まれたのでしょうか?この理由はいくつかの説があります。

 

温暖な気候

南に位置する鹿児島は、温暖な気候のためカロリーを多く消費してしまいます。

それを補うために甘い味付けが好まれ、醤油も甘口が好まれたと言われています。

 

砂糖が手に入りやすかった

九州は長崎・出島を通じてオランダと貿易があり、他の県に比べて砂糖が手に入りやすい環境でした。

さらに鹿児島は奄美大島などの砂糖の産地も近いです。

 

辛口焼酎に甘い料理が合う

鹿児島では辛口の焼酎が好まれていて、辛いお酒には甘い味付けの料理の方が相性が良いとされています。

 

魚に甘口醤油が合う

海に囲まれた鹿児島では魚を食べる機会が多いです。

甘い醤油だと生臭さも消えやすく、飽きることなく食べられます。

 

 

甘い醤油のメリット

甘い醤油に馴染みがない方は「醤油が甘いなんて…」と抵抗があるかもしれません。

しかし、ただ甘いだけではなく次のようなメリットもあります!

 

  • 甘い醤油は料理の味を調(ととの)えやすい。余分な調味料を使わなくても味が決まりやすい。
  • 他の醤油と比べると塩分が控えめ。
  • ただ甘ったるいわけではなくコクもあるので、素材の味を活かしまろやかに引き立てる。
  • トロミのある醤油なので、食材にしっかり絡みやすい。

 

メーカーによって甘さの程度も違いますので、小さいサイズのものを買って試してみるのも良いでしょう。

 

 

鹿児島の甘い醤油はこんな料理におすすめ!

刺身・・・トロミある醤油がしっかり絡みつき、生臭さも消えやすい。お刺身が嫌いでも食べられた!と言う人もいる。

冷奴・・・豆腐の味を活かしながらも、甘い醤油を味わえる一番シンプルな食べ方

天ぷら・・・揚げ物にもおすすめ。天つゆいらず。

卵かけごはん・・・普通の醤油とは一味違う、まろやかな味に。

煮物・・・お砂糖や他の調味料の量も減らせるのに、味はしっかり決まる!

 

甘い醤油とお手持ちの醤油をブレンドして、自分好みの味を作るのもおすすめです。

いつもの料理に甘い醤油を使って、違う味を楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

 

まとめ

・九州の醤油は甘い!同じ九州でも南に行くほど甘くなる

・温暖な気候や砂糖が手に入りやすい環境、食生活などの理由から、鹿児島の人に甘い醤油が好まれるようになった

・塩分控えめのうえ余分な調味料が不要、コクやトロミがあることなどが甘い醤油のメリット

・甘い醤油は、刺身・冷奴・天ぷら・卵かけごはん・煮物など多くの料理におすすめ!

 

九州の甘い醤油は全国の生産量のうち、わずか1%しか造られていません。

だからなかなか近所のスーパーやデパートでは手に入らないのかもしれませんね。

 

最近はネットで簡単に購入できるので、ぜひ甘い醤油をお試しください!

 

奄美物産でも鹿児島の甘い醤油をたくさん取り扱っています。

気になる方はチェックしてみて下さいね!